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妊活お役立ちコラム

2023/07/06

不妊カウンセリング

2人目不妊の原因と対策 2人目だからこその治療の進め方

お子様を連れて散歩中、兄妹が仲良く歩いている姿を見かけて癒される。

でも少し胸チクチクと痛み、「何故自分には2人目ができないのだろう」



このように思うことはないでしょうか?


2人目不妊は1人目不妊とは違った辛さがあります。

今回は2人目不妊についてお話したいと思います。


    もくじ
    2人目不妊とは?〜定義はあるの?〜
    原因〜1人目授かったのにどうして?〜
    治療法〜不妊治療の方針は?〜
      ・治療前にできること〜すぐに出来る生活改善〜
      ・2人目不妊の通院のタイミング
      ・ベーシックな不妊治療のステップは?
      ・通院は可能?下調べが大事な病院選び
      ・周囲の協力が不可欠な2人目妊活
    2人目不妊の施術事例
    まとめ

2人目不妊とは?〜定義はあるの?〜

2人目不妊とは1人目を出産後、一定期間避妊せずに性交をもっても妊娠しないことをいいます。

この「一定期間」には諸説があり、明確な定義はありません。ですが、日本産科婦人科学会では不妊症の定義を以下のように説明しています。



「不妊」とは、妊娠を望む健康な男女が避妊をしないで性交をしているにもかかわらず、一定期間妊娠しないものをいいます。日本産科婦人科学会では、この「一定期間」について「1年というのが一般的である」と定義しています。

日本産科婦人科学会HPより
不妊症 公益社団法人 日本産科婦人科学会



そのため、2人目不妊も避妊をやめて1年程度妊娠しないことを目安に考えることができます。

また、1人目を治療せずに授かったにもかかわらず、明確な原因がないまま授からないことを2人目不妊と呼ぶ傾向にあります。


2人目だからこその悩み

1人目を意識せずに授かったのであれば、「2人目もすぐ授かれるだろう」と考える方が大半です。
にもかかわらず、なかなか授かれないと毎月の生理が多大なストレスになります。


そうすると「1人目はすぐに授かれたのになぜ2人目は妊娠できないの???」と悩んでしまいます。
1人目を授かった経験があるからこそ、必要以上に焦ってしまうことは無理のないことです。


また、妊活がかなり社会的にも認知され、子供がいない人に対して「子供は考えていないの?」と聞く方はかなり少なくなったように思います。


しかし1人お子様がいると、「この人は不妊ではないだろう」と思われるのか「2人目は?」と聞かれる機会が多くあります。

その上、自身のお子様から「どうしてうちには妹や弟がいないの?」と言われ、精神的に追い詰められてしまうこともあるかもしれません。


その上、いざ不妊治療を始めようと思っても、今度は通院しにくい現実に直面します。

不妊治療のクリニックでは子連れの通院をお断りする病院も少なくありません。


不妊治療は連日の通院も珍しくないため、2人目治療の場合、上のお子様の預け先を確保する必要があります。


2人目不妊の原因〜1人目授かったのにどうして?〜

2人目不妊には1人目不妊とはまた違った原因が考えられます。


主な原因は

・加齢
・第1子の出産
・ホルモンバランス
・肥満もしくは痩せすぎ
・性交の機会の減少

などが挙げられます。


加齢による影響

妊娠のしやすさに年齢という要素は深く関係します。年月を重ねると卵子・精子ともに加齢しており、妊娠しにくくなります。


特に女性にとって35歳は鍵となる年齢です。
35歳は鍵となる年齢です。

35歳を過ぎると妊孕性の低下が顕著になり、流産率も上昇すると考えられています。



男性は女性より年齢の影響を受けにくいと認識する人もいますが、男性も女性と同様加齢による影響を受けます。



1人目出産の影響

1人目の分娩が不妊の原因になることもあります。例えば分娩後に胎盤が剥離しづらく


・大量出血が原因で内膜が薄くなる
・ホルモン異常をきたす


このようなことが起こり得ます。


また、帝王切開後に縫合した部分がきれいに癒合せず陥没した状態なることも。

この傷が不正出血や骨盤痛を引き起こすことあります。

これらを総称して帝王切開瘢痕症候群といい、不妊の原因につながります。


産後に戻らないホルモンバランス

妊娠中に増えていったエストロゲン・プロゲステロンなどの女性ホルモンは産後どれぐらい分泌されるかご存じでしょうか?なんとほぼ「0」


産後3〜6か月でホルモンバランスの乱れは回復します。


しかし慣れない育児で自律神経の乱れ、その影響でホルモンバランスまで乱れてしまうケースもあります。


肥満もしくは痩せすぎ

妊娠には適正体重があります。
肥満はもちろん、痩せすぎも妊娠に悪影響を及ぼします。



妊娠中に食べ悪阻の影響で体重が増えてしまった。


その上、食べ癖もついてしまい、なかなか痩せられない。

そんな方がいる一方、悪阻で食べられなくなって痩せてしまった上に、産後は授乳の影響で食事量を増やしても体重が戻らずに悩む方もいらっしゃいます。


性交渉回数の減少・セックスレス

1人目のお子様の誕生により、生活環境はこれまでと一変します。


育児に追われている内に性交を持つ機会が激減し、セックスレスの状態になるとなかなか2人目を授かることは難しくなってしまいます。



2人目不妊の治療法〜不妊治療の方針は?〜



年齢によって、ステップアップをお勧めするタイミングは違いますが、基本的に2人目不妊であっても1人目不妊であっても方針は変わりません。


まずは不妊の原因を検査し、何か問題が見つかれば治療を行います。



不妊治療で行うその他の検査項目

不妊治療ではまず不妊の原因があるか調べるスクリーニング検査を行います。


・超音波検査(子宮の形状をみる)
・血液検査(ホルモン値を計測)
・子宮卵管造影検査もしくは通水・通気検査(卵管の通りを調べる)
・精液検査(精子の状態を調べる)
・フーナー検査(おりものの中をどれだけ精子が通過できるか調べる)


1日で全ての検査を行うのではなく、これらの検査を生理周期に合わせて適切な時期に行います。


不妊治療の保険適用

2023年4月から不妊治療の保険適用が開始されました。

人工授精やタイミング指導などの一般不妊治療に関しては制限がありませんが、体外受精に関しては年齢・回数制限を設けています。

40歳未満 1子につき胚移植6まで
43歳未満 1子につき胚移植3まで


なお、事実婚であっても保険適用できます。


これまで不妊治療は自費治療であったため、金銭面の負担が大きなものでした。


保険適用されることで、経済的な理由でステップアップできなかった方に大きな助けになるでしょう。


2人目不妊の治療前にできること〜すぐに出来る生活改善〜

上記で病院での検査を説明しましたが、2人目治療を始める前に、自分でできることもあります。


それは生活習慣の改善です。


「1人目妊娠した時と似たような生活習慣を送っていたので、改善しても意味がないのでは?」
と思うかもしれません。


しかし、現在2人目がなかなか授からないのであれば、まずはできるものから始めてみることをお勧めします。


生活習慣の基本は食事・運動・睡眠です。バランスの良い食生活・適度な運動・早寝早起きは体作りの基本になります。


そしてこの3つに加えて喫煙習慣がある方は禁煙。適正体重からかけ離れている場合は体重管理。


冷えが気になる方は入浴を習慣づけることもお勧めです。心掛けることも自分でできる大切なことです。


2人目不妊の通院のタイミング

既にお子様が1人いる場合、どのタイミングで通院を始めるか悩ましいところです。

まず、2人目を希望してから1年以上授からないなら受診。

また、以下の方はより早くに病院に通われることをお勧めします。


・1人目を不妊治療で授かった、もしくは授かるまで時間がかかった
・婦人科系の疾患がある
・年齢が35歳以上


とはいえ、これらに当てはまらなくとも、早めの受診は可能です。


何か妊娠を阻害するものがないか早めに調べることは妊活にとって大切なことです。



年齢による通院のタイミング〜35歳未満なら1年、35歳以上なら半年〜

35歳未満であれば1年ほど自身で排卵日を見極めた上で、タイミングを。


35歳を過ぎると妊孕性が低下するため、半年避妊せずに性交渉を試みても授からない場合は通院をはじめることをお勧めします。

原則は授乳期間を終えてから〜生理が始まったから妊娠できるのでは?〜

授乳中でありながらも2人目を授かる方は確かに一定数います。


しかし、授乳期間中に分泌されるプロラクチンというホルモンは排卵を抑える働きがあります。


そのため授乳頻度が下がって生理が再開したとしても授乳中している間は妊娠しにくくなります。



ベーシックな不妊治療のステップは?

ご夫婦での方針・年齢にもよりますが、基本的にはタイミング法→人工授精→体外受精・顕微授精の順番で治療を進めます。


次の段階にステップアップするタイミングの目安は以下の通りです。


タイミング法 半年〜1年
人工授精   6回まで

しかし、できるだけ早い妊娠を希望するのであれば、人工授精をせずに体外受精を始める方もいらっしゃいます。

また、体外受精を希望しないようでしたら、6回以上でも人工授精を続けることもできます。


通院は可能?下調べが大事な病院選び

妊活において、病院選びは重要なポイントです。

しかし、1人目治療に比べて2人目治療は自由が利かない傾向にあります。


子ども連れでの通院を断れる、子どもの預け先を確保しなくてはいけないなどスケジュール調整がしにくいです。

子どもを連れての通院が可能かどうか・診療時間・場所など継続して通院可能かリサーチが必要になります。


周囲の協力が不可欠な2人目妊活

1人目妊活でも急に仕事を休むことが多いため、職場の人の協力を得て妊活に取り組むことはありますが、2人目妊活ではより一層周りの方の助けが必要になります。


病院に連れて行けないお子様の預け先を確保しながら通院になります。


2人目妊活は周りに話しにくいことはあるかと思いますが、周囲の人に助けてもらいながら取り組むことは1つのポイントです。



2人目不妊 不妊鍼灸の事例



当院に通われていた2人目治療の方で印象に残る方がいらっしゃいます。


35歳のAさんは2人目妊活でこれから体外受精を始める予定。


当時5歳のお子様は妊活を意識して1周期目に授かりました。


年齢を考慮してもあまり焦る必要もないと考え、のんびりと2人目妊活に取り組んでいる内にかなりの年月が経っていました。

人工授精をチャレンジするもうまくいかず、この頃は周りからの2人目は?とプレッシャーを受けて追い詰められていました。


「どうして1人目は1周期目で授かったのに2人目はこんなに授からないんだろう」

とお話をされていました。


1人目を授かった時のお身体の状態を知りうることはできませんが、今のAさんはプレッシャーもあってか体はこわばり、冷えていました。


鍼灸治療をしながら辛いお気持ちを吐き出させることでAさんの体は柔らかく、温かく変わっていきました。


血流が良くなり、ホルモンがきちんと子宮・卵巣へ行き届くようになったと考えられます。


当院で鍼灸治療を行う上では妊娠しやすいお体づくりはもちろん、「2人目は?」というプレッシャーが体に悪影響を及ぼしていたため、治療中は気持ちを吐き出せるように心掛けました。


結果、初回に行った体外受精で無事に2人目のお子様を授かることができました。


2人目不妊まとめ

1人目妊活で悩まれている方からすれば2人目不妊と聞くと贅沢な悩みと思うこともあるかもしれません。


しかし、2人目不妊は1人目不妊とは違う苦労があります。


悪気なく話す「2人目は?」「兄弟いないと可哀想」などの言葉はかなりのプレッシャーです。

確かに、1人目を授かるまで時間がかかった方は2人目妊活も長期戦を覚悟して取り組む傾向にある一方、1人目のお子様をスムーズに授かった方が2人目をすぐに授かれるだろうと考える方が多い傾向に。

「子どもは授かりものだから2人目だってすぐ授かれるとは限らない!」と考えるのはごもっともですが、1人目すぐに授かれたなら2人目もすぐ授かれる考えることはごく自然な流れといえます。

しかし、当院に通われる2人目妊活の方は1人目をすぐ授かったにもかかわらず、2人目をなかなか授かれずに悩まれている方が大勢いらっしゃいます。

どうしても精神的にも追い詰められやすいので、当院で体と心のケアのお手伝いができたら嬉しく思います。



この記事の著作者

この記事の著作者

院長 松本 敏樹

不妊カウンセリング学会 認定不妊カウンセラー
一般社団法人「日本生殖医学会」会員
妊活コーチ/妊活コーチング
東京漢方鍼医会 代表

より詳しい内容はこちらをクリックしてご覧ください。
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