妊活お役立ちコラム
2024/07/18
不妊鍼灸
鍼はなぜ効果が出る?メカニズムを西洋医学的に解説
「鍼灸って妊活にも良いと聞いたけど、本当に効くのかわからなくて始めていいのか不安」
「鍼灸ってエビデンスがあるのか気になる」
「刺さないのは痛くなくてありがたいけど、実際、効果あるの?」
最近では、慢性的な肩こりやぎっくり腰に鍼、他にも美容鍼など…皆さんのお目に触れる機会が増えてきていて、少しずつ認知度があがってはきているのではないかと思っています。
しかし、実際の鍼灸をする事で身体ではこんな反応が起きているのか、知らないという方も多いのではないでしょうか。
そんな方に鍼灸をすることで身体にどんな科学的な反応が起こっているのか、また当院で行っている刺さない鍼がどうして効くのかを紹介していきたいと思います。
鍼灸の歴史
鍼灸医学は今から 2 千年以上前に古代の中国で誕生しました。
戦国時代の文献には、鍼やモグサ(お灸のもと)を用いた治療が登場し、その頃から身体を流れる気のルート(経脈)が考えられていたのです。
俗に「ツボ」と呼ばれているものを経穴。その経穴を結んでいるのが経脈となります。
その経穴を解剖学的に調べてみると血管や神経が豊富にあり、自律神経系の反応が出やすいところだったと分かっています。
当時の治療として、もちろん今のような医療機器は存在していません。
東洋医学で最も重要な診察の方法、望診・聞診・問診・切診の四診法で身体の状態を診察していったのです。
- ・望診:形態、色、艶、呼吸など身体各部位を観察して判断する方法。
- ・聞診:声の状態や臭いを嗅いで判断する方法。
- ・問診:患者(家族)に直接言葉で尋ねて判断する方法。
- ・切診:患者に直接触れて判断する方法。
中でも切診は最も重要であり、脈診、腹診、背診、触診などで身体を診察していました。
もちろん切って身体の中を診る訳にはいかないので、身体の表面から病態を把握する方法が特化していたのです。
当時は現在のような細い鍼は存在せず、どちらかと言えば太い鍼でした。
このことから、安全性を考えて身体の奥深い場所にまで鍼を刺さなかったようです。
鍼を深く刺入するようになったのは、鉄の加工技術が発展してからのことです。鍼を細くする技術は、武器の製造技術の水準が高くなり始めた春秋戦国時代に飛躍的な発展を遂げました。
ではそれ以前の時代はどのように過ごしていたかというと「刺さない鍼」と「お灸」です。
本来、東洋医学的思想を背景に作られた、伝統医療の特徴は、筋肉に鍼を入れないで、皮膚のみを刺激する方法が基本であったということです。
そこで重要な働きをしていたのが「気」です。
現代でも「元気」「やる気」「気力がない」など、「気」の実体はみえなくても、知らない間に「気」の存在を認め合っているのです。
人体の「気」は身体を構成するためのエネルギーの源であり、「気」を失うとさまざまな病気が起こります。
この「気」を補うことで、元気な肉体を作り上げ、病気になりにくい体質にしていくのです。
そんな鍼灸の考え方が日本に伝わったのが 6 世紀頃。
少しずつ医療制度が整備されていく中、医師の他にも「針博士(針師の中でも優秀な人)」「針師」「針生(針を習う学生)」が定められたのです。
鍼灸師は医師と並んで、国の医療制度の根幹に組み込まれていました。
平安時代までは灸治療が中心で鍼は主として、外科的な処置を行う際に用いられたようです。
戦国武将たちもお灸をすえて戦に赴いてたことが書かれています。
そこから時代は進み…
戦後の GHQ の働きなどにより何度か鍼灸存続の危機がありました。
しかし、1971 年中国で行われた鍼麻酔手術が世界的に報道され、それをきっかけに日本でも鍼ブームが起こり、研究も学会レベルで進められるようになったのです。
現代ではさらに研究が重ねられてメカニズムが解明されつつあります。
鍼灸治療と世界保健機関(WHO)
世界保健機関 (World Health Organization: WHO) は、「全ての人々が可能な最高の健康水準に到達すること」を目的として設立された国連の専門機関と厚生労働省で紹介されています。
WHO で鍼灸治療が効果的だと認められている疾患が数多くあります。それが以下の通りです。
- ・神経系疾患
- ・運動器系疾患
- ・循環器系疾患
- ・呼吸器系疾患
- ・消化器系疾患
- ・代謝内分秘系疾患
- ・泌尿器系疾患
- ・婦人科系疾患
- ・耳鼻咽喉科系疾患
- ・眼科系疾患
- ・小児科疾患
神経痛・神経麻痺・痙攣・脳卒中後遺症・自律神経失調症・頭痛・めまい・不眠・神経症・ノイローゼ・ヒステリー
関節炎・リウマチ・頚肩腕症候群・頚椎捻挫後遺症・五十肩・腱鞘炎・腰痛・外傷の後遺症(骨折、打撲、むちうち、捻挫)
心臓神経症・動脈硬化症・高血圧低血圧症・動悸・息切れ
気管支炎・喘息・風邪および予防
胃腸病(胃炎、消化不良、胃下垂、胃酸過多、下痢、便秘)・胆嚢炎・肝機能障害・肝炎・胃十二指腸潰瘍・痔疾
代謝内分秘系疾患
膀胱炎・尿道炎・尿閉・腎炎
更年期障害・乳腺炎・白帯下・生理痛・月経不順・冷え性・血の道・不妊
中耳炎・耳鳴・難聴・メニエル氏病・鼻出血・鼻炎・ちくのう・咽喉頭炎・へんとう炎
眼精疲労・仮性近視・結膜炎・疲れ目・かすみ目・ものもらい
小児神経症(夜泣き、かんむし、夜驚、消化不良、偏食、食欲不振、不眠)・小児喘息・アレルギー性湿疹・耳下腺炎・夜尿症・虚弱体質の改善
こちらは 1979 年 6 月、北京で行われた「鍼灸に関する WHO 地域間セミナー」において、鍼治療が有効と主張された疾患群のリストとなります。
注意点として「このリストは臨床経験に基づくものであって、必ずしも対照群を置いた臨床試験に基づくものではない。」とされています。
また 1997 年、米国・国立衛生研究所または国立保健研究所(NIH)は、「鍼治療に関する合意のためのパネル会議(Consensus Panel)」を開催し、鍼の有効性や安全性、研究方法などが合意されました。
それによると成人の術後および化学療法による嘔き気・嘔吐、歯科の術後痛、妊娠悪阻(つわり)の 3 疾患には「鍼治療が有望である」とされ、薬物中毒・脳卒中後のリハビリテーション・頭痛・月経痛・テニス肘・線維性筋痛症・筋筋膜痛・変形性関節症・腰痛・手根管症候群・喘息の 11 疾患については「補助療法として有用、または包括的患者管理計画に含める可能性がある」とされています。
そして、2018 年 6 月、漢方薬や鍼灸などの伝統医療を WHO が認定。具体的には、国際的に統一した基準で定められた疾病分類である「国際疾病分類」(ICD)に、伝統的な東洋医学の章が追加され、100年以上、西洋医学に偏っていた世界の医療基準の転換点となるとともに、中国と異なり独自に発展してきた日本の伝統医療の再評価につながりました。
そうはいっても、まだ研究は進んでおらず、その疾患においてどのように反応を起こしているのか科学的にわかっていない部分も多いです。
しかし、鍼灸治療の幅広さを理解してもらえるのではないかと思います。
鍼灸とは?
鍼灸とは、専用の鍼や灸を用いて、人間の身体にある経穴(ツボ)に刺激を加えることで、元々身体に備わっている病気を治す力を高めて機能回復をはかる治療法です。
東洋医学と鍼灸治療
よくドラマで「あなたは○○ガンで、余命○年です」というシーンを見たことがあると思います。
西洋医学では、病気の原因(がんなど)に着目し、その原因を除去することで病気を治療するというアプローチ方法をとります。
それとは別に東洋医学では、身体全体のバランスが崩れていることで症状が生まれ、「病」が発症すると考える医学となります。
鍼灸はその東洋医学の治療法の一つで、身体の変化を手で触れながら観察して状態を把握し、鍼や灸を施すことで身体のバランスを整えていくのです。
鍼灸の作用のメカニズム
鍼灸治療は臨床と研究が重ねられ、少しずつですが鍼灸の作用の仕組みについて解明されつつあります。
次は鍼灸治療による様々な効果について紹介していきます。
血行促進作用
血行が良くなるメカニズムはいろいろと考えられますが、今回はその一説、フレアー現象(軸索反射)について説明します。
鍼灸を受けると、皮膚がほんのり赤くなる現象が起こります。
なぜこのような現象が起きるのかというと…
鍼灸刺激によって侵害受容器であるポリモーダル受容器が興奮し、その情報が C 線維を介して脊髄に伝わります。
一方で、C 線維末端で軸索反射による血管拡張反応が生じるためと考えられています。
ポリモーダル受容器の興奮によって発生した活動電位は神経線維の分岐部に達すると、脊髄や脳に順行するだけでなく(順向性伝導)、末梢方向に逆行する働きもあります(逆向性伝導)。
逆行した活動電位が神経終末に達すると血管拡張物質であるサブスタン ス P(substance P:SP)やカルシトニン遺伝子関連ペプタイド(calcitonin gene-related peptide:CGRP)などのニューロペプチドが神経終末から放出され、局所の血管拡張反応が起こるという仕組みとなっております。
簡単に説明すると…
鍼を打った場所の皮膚細胞:「怪我しちゃったみたいだから、悪化させないためにも脊髄や脳に伝えないと」と刺激を送ります。
↓
刺激を受けとった脊髄:「脳にはこちらから伝えておく。脳の返事を待っていると反応が遅くなるから、まずは急いて現場のケアを優先して!!」
それと同時に脳へ怪我の詳細を報告をする。
↓
脊髄から指令を受け取った助っ人(サブスタンス P など)「血流拡張させて、傷の修復を急ぐね。」
すると血流が促進されることで、鍼を打った部分が発赤するという流れとなります。
他にも一酸化窒素も血流促進に関与があるという研究もされています。
鍼をすることで血管内皮細胞から一酸化窒素が放出され、それによって血管が拡張され血流増加につながっているというメカニズムです。
【一酸化窒素の関与について】
近年,血管内皮細胞から放出される一酸化窒素(nitricoxide :No) の関与についても示唆されている。麻
酔下ラットで膝関節包の細動脈が鍼通電刺激により拡張し、NO 合成酵素阻害薬である L-NAME 投与下
では細動脈は収縮し、平均血圧が上昇したという報告がある、また、麻酔下ラットで鍼刺激による筋血流
の増加が L-NAME 投与によって濃度依存性に抑制したという報告もなされている。
【鍼灸治療が末梢循環に及ぼす影響とその作用機序について】
免疫力の活性化作用
まず正常な免疫系の働き。
異物が侵入してくると、貪食細胞の好中球やマクロファージが反応して、異物を食べます。
(自然免疫)それだけで追いつけない場合は、マクロファージがリンパ球に移動し、ヘルパーT 細胞に異物の情報を伝え攻撃の指示を出すのです。
ヘルパーT 細胞はサイトカインという物質を出しナチュラルキラー細胞を活性化させ、B 細胞の抗体産生を促します。
また、B 細胞は形質細胞に分化し、抗体を大量に産生して異物を攻撃します。(獲得免疫)
それでもダメな場合は、キラーT 細胞です。他の細胞がやられてしまった時に、抗原を攻撃して処理するのです。
実はこれだけ身体を異物から守る免疫系はそれだけで動いているわけではありません。
自律神経系の主要な神経伝達物質であるアセチルコリンとノルアドレナリンが、多様な分子機構を介して免疫応答とそれにともなう炎症反応の制御に関与していることが明らかになっています。
適宜脳などの神経系とホルモンの内分泌系と相互調節して動いているのです。
鍼灸治療により白血球を増やすことで、生体防御機能が高まり、身体全体の免疫機能を活性化させる働きをすると考えられています。
血流促進の際に出てきた血管拡張作用のある CGRP やサブスタンス P が免疫系の調節も行います。
鍼灸は免疫系に関わる肥満細胞、好中球、マクロファージ、T 細胞、B 細胞の活性化に働くことも知られているのです。
鍼灸刺激によりヒト末梢血中の NK 細胞の数と活性が上昇することを見出した。この結果は、鍼灸刺激により、脾臓やリンパ節に局在していた NK 細胞が血中へ動員されたことによると考えられ、おそらく、鍼灸刺激が、自律神経を介して脾臓やリンパ節に警告信号を与えたことによって血中への動員を促したのであろう。
【免疫の仕組みと神経系…鍼灸との関わりの可能性】
生体機能調整作用
機能低下している状態を活性化させる作用や、痛みなどの身体の機能が異常に亢進している状態を抑制させる作用が期待されます。
その中でも興奮作用と鎮静作用に分けられます。
例えば
・脂っこいものを食べてしまい、食欲が落ちている。
→鍼灸で胃腸の働きを上げるツボを刺激することで、消化を促し、食欲が戻る。(興奮作用)
・試合などで身体を酷使してしまい、ふくらはぎが痙攣してしまっている。
→使い過ぎによる興奮が強い状態を鎮静させ筋肉を緩める(鎮静作用)
「足三里」に鍼をすることで C 繊維が興奮し、脊髄後角を通って中枢に上がっていきます。
脳に上がっていくと下降性抑制といって下に下がります。
延髄というところにいくと孤束核や迷走神経背側核にこの C繊維の繊維がドカーンと当たることで迷走神経反射が起き、アセチルコリンが出て胃が収縮することがわかっています。
自律神経の調整
自律神経とは交感神経と副交感神経。
この2つの神経が緊張状態のバランスを常時うまく取り合って血圧,脈拍,消化吸収,代謝,体温などが自律的に調節され生命は維持しています。
その自律神経の働きが乱れることで、めまいや耳鳴り、不眠症などさまざまな症状が出やすくなるのです。
鍼灸ではその自律神経の調節も行っています。
その中の一つの反応として「体性-内臓反射」
それは、皮膚からの刺激を受け、自律神経を通して内臓に刺激を送り内蔵の働きを調節する働きとなります。
胃の機能異常に対して鍼刺激が有効であることを示している。この作用機序も体性一自律神経反射に
他ならず,Sato. A らによって最初に明らかにされた。それは、ラットの胃運動を対象とし、胃と同分節もし
くは近分節への鍼刺激は香髄分節性の交感神経興奮による運動抑制を、四肢への刺激では上脊髄性
の副交感神経興奮による運動元進が生じると報告されている
【鍼刺激による循環動態・胃運動・男性生殖器に対する体性−自律神経反射を介した機能調節】
その他の作用
その他にもこんな効果があるとわかっています。
脳内麻薬〜化学物質の分泌促進〜
鍼の刺激が加わると、エンドルフィンなどの化学物質が脳から放出されます。
エンドルフィンは、痛みを抑える鎮痛効果とともに脳に対して快楽物質として働きます。
ゆっくりと走っていると気分が良くなり、いつまででも走れるという 「ランナーズ・ハイ」などの現象もこのエンドルフィンによるものとされています。
痛みを感じにくくする。痛みの伝達を抑える。
鍼により痛みを抑える働きを「鍼鎮痛」といいます。
痛みが抑えられる働きとして、鍼刺激がポリモーダル受容器から C 線維を経由して、脊髄後角へ。
脊髄後角から反対側に交差し、前側索を上行して視床下部にいたります。
視床下部内でのインパルスは外側部から弓状核の中央部にいたり、弓状核後部に軸索を送るドパミン作動性ニューロンを興奮させるとともに、下垂体に β-エンドルフィン産生をうながします。
β-エンドルフィン分泌とドパミン作動性ニューロンを興奮は、中脳水道周辺灰白質におこるセロトニン系の下行性痛覚抑制系を作動させ、鎮痛効果が現れます。
β-エンドルフィンはモルヒネの 6.5 倍もの鎮痛作用やストレス作用もあると言われています。
もう 1 つの鎮痛で関連した理論として、ゲートコントロール理論があります。
これは、脳に伝える神経線維をブロックする仕組みのことですが、このゲートコントロールは人の感情や気分などに大きく影響されて
います。
例えば、子供が転んでしまった時、お母さんが痛い部分をさすると泣きやみ、笑顔になったりすることがあります。
感情や気分により痛み刺激を抑制させるゲートコントロールを介して、痛みが緩和されるというものです。
この痛みをブロックする働きが鍼灸をすることによって身体の中で起こるのです。
リラックス効果
鍼灸刺激は自律神経系のバランスを調節します。
特に副交感神経の反応が増え、リラックスが促進されます。
これにより、心拍数が安定し、呼吸が深くゆっくりとなり、さらに身体全体がリラックス状態になります。
鍼治療で効果が出るまでどれくらいかかるのか?
鍼をしてから効果が出るまでどのくらいかかるのでしょうか。
○分?○時間?
実は、直後〜数日後です。
人によっては 1 日以上経ってから効果を実感される方もいらっしゃり、効果の現れ方には個人差があるのです。
鍼をするとその刺激はすぐに脳へと伝わります。
すると様々な反応が身体の中で起こるため、患者さんは
「鍼をしたらにグーっと胃が動いた」
「治療が終わって起き上がったら、身体が軽くなってた」など効果がすぐに現れます。
また治療中の変化が分からなくても「家に着いたらすっと身体がポカポカしている」とおっしゃっている方もいらっしゃり、時間がたってから気づく方もいらっしゃいます。
治療後痛みが残る事もあるかもしれませんが、通常、時間の経過とともに軽減していきます。
刺す鍼の効果
一般的な鍼治療では、筋肉や細胞組織への刺激によるアプローチと、全身を巡る「気の流れ」を整えるためのアプローチを複合的に用いています。
刺す鍼で筋肉や細胞へのアプローチ
鍼を刺入する事で、筋肉や細胞組織に小さな傷を作る。
↓
傷のついた部分を治そうと血流を集める。
身体が「傷ついてしまったから治さねば」と思い、自己治癒力を使い治そうとする働きが強くなる。
刺さない鍼の効果 エビデンス
皮膚刺激から様々な反応が出る事が証明されています。
触圧刺激と心の影響
ヒトにおいて触刺激はいずれも動脈圧と心拍数を低下させた。背部皮膚への触刺激時の心拍数低下は
麻酔下動物、意識下ヒトともに交感神経活動低下と副交感神経活動上昇によるものであった.
【触刺激による循環機能変化とその自律神経機序】
皮膚刺激は、様々な心理的な治療場面でもよく使われます。触覚の作用の一つ「触圧刺激」
この刺激は手を動かさずに抱きしめる、肩を押さえるなどの圧の刺激を加えることで起こる反応です。
これは副交感神経を優位にするため抑制効果があります。
ADHD や自閉症でパニックを起こした時などに触圧刺激をうまく利用すると、パニックから回復することができ、落ち着きを取り戻すことができるとしています。
オキシトシン分泌
快適な触覚刺激が脳に伝わると、視床下部ではオキシトシンという神経伝達物質が分泌されます。
オキシトシンが分泌されると、副交感神経が優位にはたらくようになり、人は心身ともにリラックスし、ストレスを軽減させることができるのです。
【身体接触によるこころの癒し
〜こころとからだの不思議な関係〜】
人を撫でると、脳ではオキシトシンが分泌され、重要な働きが起こります。
オキシトシンが分泌される事で副交感神経が優位に働き、リラックスさせたりストレスを軽減する働きもあります。
さらにオキシトシンは脳内ではセロトニン神経の活動を活性化させます。
セロトニン神経は、不安や興奮した状態から、元の安定した心の状態に戻すはたらきをしているため、セロトニンの分泌が少ないうつ病の方などにも、症状を緩和させる働きもあると言われています。
弱い刺激が大きな影響を与える
このことから導き出されるのは、物理学の法則とは逆に、生体にとっての刺激は、弱い刺激は強い刺激よりも、より大きな影響を与える可能性です。…
生体が防御しきれないほどの強い刺激の場合には、それはむしろ有害な侵害刺激となり副作用をもたらすことになります。しかし弱い刺激であれば、そのような有害性や副作用はなく、生体はそれを受け入れて大きな影響を及ぼすのです。
【身体接触によるこころの癒し
〜こころとからだの不思議な関係〜】
他にもこの論文には触圧刺激が弱い方が身体により大きな影響を与えるとしています。
しかも弱い刺激なので有害性や副作用も無いとも書かれています。
そあら鍼灸院の鍼灸
当院では「鍼(ていしん)」という名前の”刺さない鍼”を使用し、鍼先を触れる優しい刺激で、体質改善と妊娠しやすい身体に近づけるお手伝いを行っています。
「刺さない鍼って何?」
「鍼って刺すものじゃないの?」
「刺さなくても効くのかな?」など様々な疑問が出てくると思います。
刺す鍼でも刺さない鍼でも自律神経の調節はある程度できますが、それぞれの得意分野に違いがあります。
刺す鍼は筋肉や神経に直接アプローチできるため、スポーツ時のメンテナンスや麻痺の状態、痛みをとるといった原因がはっきりわかっているものへの対処が得意です。
刺さない鍼は皮膚表面の刺激に対する身体の反応を利用するため間接的な自律神経へのアプローチがメインとなってきます。
そのため内臓の働きを良くする、免疫の強化、体質改善など西洋医学的に原因がよくわかっていないものへの対処が得意です。
そうは言っても、刺さないと刺激が入らないのでは?と思う方も多いのではないのではないでしょうか。
実は皮膚からの刺激は自律神経を通して脳や内臓に伝わります。
例えば「痛みがある場所に手を当てたら痛みが軽くなった」という経験をされた方は多いのではないでしょうか。
これも皮膚を触れた時の刺激が脳や内臓に働き、痛みを抑える仕組みがあるからこそ起こる反応なのです。
そして最大のメリットとして、よりリラックスしやすい事。
「鍼を受けたいけど、痛そうで怖い」
「実際に鍼灸を受けたけど、鍼を指している間緊張して力が抜けない状態だった」このようにお話しして下さる患者さんも多くいらっしゃいます。
刺さない鍼で治療を行うため、緊張や怖さがなく、より安心してリラックスできるなどプラス α の効果が大きく作用していくのです。
ここまでは西洋医学からみた、そあら鍼灸院の治療となります。
ここからは東洋医学からの視点で解説します。
東洋医学のみならず中国思想の概念は「気」によります。
気は目には見えないですが様々な作用を持つエネルギーの事をいいます。
それは春夏秋冬の季節の移り変わり、晴雨雷雪の天候の変化があり、雲が雨を降して田畑を潤し、川が流れて海へ下り、また、天へ昇って行くという生命を育む水の循環など、世の中の働きは気によると捉えています。
そのため医学において身体に起こっている事も、「気」の作用によるものと考えているのです。
その気が、体表面から内側の内臓に流れ、常に滞りなく循環している事が妊活にとって大事となります。
例えば、家の中でじっとして過ごすよりも、外に出て軽く運動すると身体もポカポカになり気分も晴れやかになりますよね。
これは身体を動かす事で気の流れがより巡りやすくなるためです。
当院で用いている刺さない鍼は、その気の調整を得意としています。
気の巡りなどを把握するのが四診といわれる診察法で、その代表的なものが「脈診」です。
つまり「脈診」をはじめとした東洋医学の四診(診察)を用いることで、東洋医学的な身体の把握が可能になり、鍼で気を調節する事ができるのです。
まとめ
鍼灸医学は 2 千年も前に古代中国で誕生し、今では WHO (世界保健機関)で鍼灸治療が効果的だと認められている疾患が数多くあります。
鍼灸作用のメカニズムとして、
・血流促進
・免疫力の活性化作用
・生体機能調節作用
・鎮痛効果のあるエンドルフィンなどの分泌促進
など様々な身体に起こる反応が立証されています。
妊娠しやすい身体づくりのサポートとして刺さない鍼による皮膚刺激は、自律神経の調節やオキシトシンなどの分泌が起こるので、リラックスしストレス軽減になります。
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