妊活とフェリチン値|40以上必要?不妊治療と鉄不足の解説!|不妊鍼灸・妊活鍼灸の【そあら鍼灸院】東京新宿区

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妊活お役立ちコラム

2025/02/04

おうち妊活

妊活とフェリチン値|40以上必要?不妊治療と鉄不足の解説!

貧血と言われたことはあるでしょうか。

あるいは立ちくらみ、息切れ、めまい、ふらつき等の貧血症状は大丈夫でしょうか。


実は私も高校生の頃、鉄欠乏性貧血になっていました。 
バスケット部に所属していたのですが、いくら走っても走っても体力がつかなく、よく過呼吸を起こしていましたね(笑) 


そしてその頃は氷が好き過ぎて、しょっちゅうガリガリ食べていました。 

フェリチン不足の症状

夏だけでなく、冬でもこたつに入りながら氷を食べてました(笑) 

鉄欠乏性貧血の症状の一つとして、氷を食べたくなるというものがあります。 


こんな分かりやすい症状があれば貧血も見つかりやすいものです。 


妊活と鉄は大きな関係があるのですが、ここで問題となるのは特段症状がないけどフェリチンという貯蔵鉄が不足していることがあるということ。 


フェリチンは通常健康診断では測りません。 

そのため貧血といわれなくても、実はフェリチンが低くて貧血があるケースがあります。 


睡眠はとっているのに、やっぱり朝起きると疲れが残っている感じがして憂鬱。 

仕事を頑張りたいのに、だるくなってしまいはかどらずイライラしてしまう。 

無意識的に横になったりすぐ座りたくなってしまう。



こんなことはないでしょうか。 


その場合は、フェリチンが足りていない可能性があります。  


それが実は妊娠を妨げている可能性があるのです。  

  1. 01フェリチンとは…?
  2. 02鉄欠乏・フェリチンと不妊
  3. 03鉄の摂り方
  4. 04鉄欠乏と東洋医学
  5. 05まとめ



フェリチンとは…?

フェリチンって何?

と思った方もいらっしゃると思います。



フェリチンは、別名、貯蔵鉄と呼ばれています。



大人の体内には、約3〜5gの鉄があります。

そのうちの約70%が血液中の赤血球の中でヘモグロビンと一部に組み込まれ、酸素を全身に運ぶ働きをしています。

その残りの約25%が肝臓や脾臓の中でフェリチンというタンパクにくっついて貯蔵鉄として蓄えられているのです。




その関係を分かりやすく例えると・・・

お金と銀行の関係に似ています。


フェリチン

財布の中のお金が減ってきたら、銀行からお金を引き出しますよね。
フェリチンとは銀行のような働きをしています。


ヘモグロビンが機能鉄として全身を巡っているのですが、少なくなってきたらフェリチンから補充されます。
逆に多い場合は、貯蔵鉄として保管されるのです。




女性では良く起こりやすい「鉄欠乏性貧血」

鉄欠乏性貧血


これはヘモグロビンの量が減ってしまうと起こりやすくなってしまいます。

いわばお財布にお金が足りない状態です。



成人男性や新生児ではHb13g/dl以下、

成人女性や学童ではHb12g/dl以下、

高齢者や乳幼児ではHb11g/dl以下だと診断されます。



鉄欠乏性貧血について

フェリチンの基準値

フェリチンの基準値は性別や検査機関によって様々です。

一般的に女性であれば6.4〜167.1( ng /mL)、男性であれば17.0〜291.5( ng /mL)を基準値と置くことが多いようです。


妊活を考えている女性なら
40 ng /mL以上120〜150 ng /mL以下を目安にするのが良いのではないかと思います。



フェリチンは40以下だと妊娠しても流産しやすいと言われています。



質の良い卵子を成長させるためには、栄養素や酸素、ホルモンなどがきちんと届くことが不可欠です。

また子宮内膜も受精卵がくっつくベッドとなるため、より良く厚い内膜を作るための一つの要素としてフェリチンが重要になってきます。


その為、貧血やフェリチン不足が無いかチェックしておく必要があります。


フェリチン不足の場合、無症状な事が多いので血液検査で確定されます。

※白血病やリウマチなどの炎症がある疾患でもフェリチン値が高くなると言われているので、高く出た方はきちんと先生に診断してもらった方がいいです!!

 

隠れ貧血とは 

フェリチンが不足していることを隠れ貧血(潜在性鉄欠乏)と呼ばれており、
悪化すると鉄欠乏性貧血になりやすいといわれています。


フェリチンは貯蔵鉄で、出血などでヘモグロビン(機能鉄)が減るとすぐさま補充されます。

そのため最初にフェリチンが減り、その後にヘモグロビンが減るという経過をたどるのです。

特に月経などで出血が多い方は、フェリチンが減少している可能性が大きいです。


隠れ貧血の症状

隠れ貧血の場合、どのような症状が現れやすいのでしょうか。

【隠れ貧血かも?セルフチェックシート】
⬜︎お肉をあまり食べていない
⬜︎休んでも疲れが取れない
⬜︎日頃やる気が出ない
⬜︎平熱が低い
⬜︎顔色が悪いと言われる
⬜︎頻繁に頭痛が起こる
⬜︎だるいと思うことが増えた
⬜︎軽い運動でも息切れをする
⬜︎爪が割れやすい
⬜︎冷え性
⬜︎よく氷を食べる
⬜︎生理前に不調が出やすく生理痛がある

2個以上当てはまる場合は、隠れ貧血の可能性があります。

もしかして…と思ったら医療機関に相談してみても良いかもしれません。


鉄欠乏・フェリチンと不妊 

ではフェリチンと不妊ではどのような関係があるのでしょうか。

2023年にオーストリアの研究者らによって行われた研究では、貧血症状がなくてもフェリチン値が低いと妊娠にマイナスの影響を及ぼす可能性があるとされました。


この研究では、原因不明の不妊症を持つ36人の女性と健康的な非不妊の女性36人(18-40歳の女性)を比較しました。

調査方法としては、生理2〜5日目に採血をし、血清フェリチンを対象として鉄の状態を調べられました。

結果として不妊症の女性は非不妊の女性に比べて、フェリチンが少なく鉄欠乏の率が高いことがわかりました。

また不妊症の女性は鉄を細胞に運ぶ役割をしているトランスフェリンが少なく、ヘモグロビン濃度も低かったとしています。


妊活にとって、フェリチンの減少が影響している可能性があるということです。


卵胞の発育(採卵に向けての身体づくり)

鉄はヘモグロビンとして身体全体に酸素や栄養を運ぶ大事な役割があります。

鉄が減り、赤血球が少なくなってしまうことで充分な酸素や栄養が行き渡らず、卵胞の発育が成熟に影響を及ぼしてしまう可能性があるのです。


マウスの実験で、卵胞発育時に鉄輸送タンパク質トランスフェリンが蓄積していたことにより、トランスフェリンにより供給される鉄は卵胞発育に重要であること明らかにしたとしています。



卵胞の発育には、フェリチンを運んでくれるタンパク質(トランスフェリン)が大事な働きをしているのです。


着床しやすい身体づくり 子宮内膜の環境を整える


鉄分は、子宮内膜を作るという分野でも大事な役割があります。

子宮内膜は女性ホルモンのエストロゲンの作用により、細胞を盛んに分裂させます。
分裂をして細胞の数が増えることで、厚みを増していきます。

その細胞分裂して新たな細胞を作り出す際に酸素や栄養素が必要となるのです。
そして子宮内膜を厚くフカフカになることで、受精卵が着床する可能性が高くなります。

そのためには子宮に酸素やホルモンが届くことが不可欠なのです。

また、着床後も胎児の成長に鉄分は欠かせません。
血液を通じて胎児に充分な酸素や栄養素を送る必要があります。


鉄が不足してしまうと未熟児や低体重児で生まれてしまう可能性が高くなります。


そのため日頃から鉄が不足していないかを知っておく事が重要となります。


鉄の摂り方

実は…鉄はなかなか吸収しづらいのです。

そして汗をかくと一緒に鉄分も排出されやすいので、意識的に摂取していきましょう!!


鉄の摂り方

鉄は、
お肉や魚などに多い「ヘム鉄」
野菜や海藻などに多い「非ヘム鉄」の2種類があります。




【ヘム鉄を多く含む食品】

・赤みのお肉
・レバー
・赤身のお魚(カツオ・マグロなど)
・赤貝 など




【非ヘム鉄を多く含む食品】

・小松菜やほうれん草などの野菜類
・レンズ豆・大豆・枝豆などの豆類
・ヒジキや青のりなどの海藻 など




ヘム鉄の方が、吸収率が10〜30%と高いので(非ヘム鉄だと5%以下)、ヘム鉄を意識的に摂ってもらえたらと思います。



厚生労働省が推奨する1日分の摂取量は月経のある成人女性で10.5〜11.0mgと言われています。

牛レバーだと260〜275g、ヒレ肉だと375〜400gくらい摂れれば、一日の鉄の摂取量を超えることができます。

一緒にビタミンCを取ると鉄が吸収しやすくなるのでお勧めです!!



鉄を取る上での注意点



妊活にとって貧血は大敵

そうしたら予防のために鉄のサプリメントを毎日取ろう!!

…と思う方もいらっしゃると思います。




稀ではありますが過剰に摂りすぎて支障をきたす場合もあるのです。



鉄分が多いほど発がんリスクが高くなるという報告があります。


またそれは精子にとって受精率を低下させてしまいます。

女性に関しては、直接的な妊孕力の低下は認められていません。


しかし、不妊治療をされている方の卵胞の中の顆粒膜細胞内に鉄を溜め込みやすく、妊婦歴の方には鉄の排出があるというデータがあり、過剰な鉄の摂取は良くないのではないかとも言われています。


過剰な鉄の摂取が及ぼす影響について研究された論文を紹介します。

その研究では、不妊治療を受ける女性における鉄の摂取量と卵巣予備能との関連について調査されたものです。

この研究は、2007年から2019年までマサチューセッツ総合病院で不妊治療を受ける18歳から46歳の女性582人を対象にし、対象者が食事やサプリメントから摂取している鉄の量を基に、総合的な分析が行われました。


マサチューセッツ総合病院不妊治療センターに通われていた582人の女性が対象(18歳から46歳)。

対象者が食事やサプリメントから摂取している鉄の量と卵巣予備の関連があるかを調べた研究となります。


卵巣子備能は、卵巣内にある成長中の卵胞の数を示す胞状卵胞数と、月経3日目のFSH値を指標とされています。

結果として、鉄総摂取量が1日45mg以上の女性は、卵巣予備能に悪影響を及ぼす傾向がみられました。


鉄の摂取量が増えるにつれ、胞状卵胞数の減少が確認されたという事です。


また、鉄サプリメント摂取量が65 mg/日以上の女性では、鉄サプリメント摂取量が20 mg/日以下の女性と比較して、3日目のFSH値が0.9(0.5、1.3)IU/ml高かったとしています。



鉄の摂取量が多すぎてしまうと、生理中の発育卵胞数の減少生理3日目のFSHの値が高くなる傾向があるとしています。



また、成長能力に対する鉄過負荷の精子の影響についての研究です。

これはラット40匹を体重によりランダムに対照群、鉄欠乏群、低用量鉄過負荷群及び高用量鉄過負荷群に分けて、精子の運動状態や奇形を調べた研究です。

そこでは、高用量鉄過負荷群ラットの精子数と精子運動率は対照群と低用量鉄過剰群より顕著に低く、しかも精子奇形率は対照群と低用量鉄過剰群より明らかに高かったとしています。


これらは鉄の過剰摂取による酸化ストレスが精子に影響しているのではと考えてられています。



・元々レバーが好きでよく食べる方

・疲れやすいなどの症状が無いのに鉄のサプリメントを取り続けている方

・出産経験が無い方


上記に当てはまる方は、
一度ヘモグロビンやフェリチン値を調べてから鉄を摂ってもらえるといいかもしれません。


鉄欠乏と東洋医学 

東洋医学では、気、血、水(津液)のバランスや仕組みで病気を考えたりします。
鉄不足の場合は「血虚」(血が足りず巡りも悪い状態)ととらえられる事が多いです。

また隠れ貧血でみられる、疲れやすい・疲労回復が遅い・冷えやすいなどの症状はエネルギー不足として「気虚」と考えています。

すなわち気、血の二つの働きに鉄不足が関係しているのです。

そあら鍼灸院での治療 

当院では、まず患者さんの脈やお腹を診てお身体の状態を判断し治療していきます。

脈やお腹で、五臓(肝・心・脾・肺・腎)六腑(胆・小腸・胃・大腸・膀胱・三焦)のバランスや乱れがないかをチェックしていくのです。


乱れがあると臓器各々の働きが悪くなり、エネルギー不足や不調が出やすくなってしまうのです。

今回出てきたフェリチンも様々な要因により現れやすくなります。
一例として紹介させていただきます。

1.胃腸の不調

これは鉄分を取っているのに、きちんと消化・吸収ができていない事によるフェリチン不足です。
胃腸の不調が出てしまうのも、不規則な食事や暴飲暴食、他にもストレスなどの要因でなってしまう方もいらっしゃいます。

これは鉄分に限った話ではありません。

胃腸の働きが悪い方は、食事やサプリメントで摂取した他の栄養素もきちんと吸収できていない可能性もあります。

2.肝の不調

東洋医学で「肝」は、血の貯蔵と調節を行っています。

必要な時に必要な場所(特に目や筋肉など)に届ける働きをしているため、肝の働きが落ちると血が足りず眼精疲労、頭痛、肩こり腰痛、めまい、不眠、他にもイライラしやすいなど精神症状も出やすくなります。



一例として紹介させていただきましたが、フェリチン不足の要因は様々あります。

そうなってしまっている根本の原因を脈やお腹を診て判断し治療していくのです。

まとめ 

女性ではよく起こりやすい「鉄欠乏性貧血」

貧血になる前の段階では、フラフラしてしまうなどの症状が出ていなくても、貯蔵鉄のフェリチンの不足が起こっている可能性があります。
それを隠れ貧血と呼ばれており、もしかするとそれが妊娠を妨げている場合も。
(フェリチンを測る場合は通常の血液検査では測れないため、必ずお医者さんに相談しましょう。)

少ない場合は、赤みのお肉やレバーなどのヘム鉄小松菜やレンズ豆などの非ヘム鉄を摂取しましょう。
ヘム鉄の方が吸収率も高く、一緒にビタミンCを取れるとさらに吸収率が上がるためベストです。

鍼灸でも、血がつくられるよう、また鉄分の吸収が上がるようサポートさせていただいております。

気になる方は一度ご相談いただけたら幸いです。

この記事の著作者

鍼灸師 柔道整復師 福田 真弓

「東京漢方鍼医会」会員

より詳しい内容はこちらをクリックしてご覧ください。

この記事の著作者

院長 松本 敏樹

不妊カウンセリング学会 認定不妊カウンセラー
一般社団法人「日本生殖医学会」会員
妊活コーチ/妊活コーチング
東京漢方鍼医会 代表

より詳しい内容はこちらをクリックしてご覧ください。
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